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乾燥した日が続き、さらに強風が吹くと、山林火災の発生・拡大リスクは一気に高まります。山林火災はひとたび発生すると、猛烈なスピードで延焼する一方で、その消火活動は極めて困難です。被害が広範囲に及ぶため、鎮火までに何日間も燃え続け、膨大な時間を要することも珍しくありません。

なぜ、山林火災はそれほどまでに消火しにくいのでしょうか。その特殊な消火方法と困難な理由を考えてみましょう。

1.地上部隊によるホース延長

通常の火災と同様、消火の基本は「水」です。しかし、広大な山林火災では大量の水が必要な反面、現場付近で水利を確保することは容易ではありません。また、急峻な地形は消防車やポンプの接近を阻みます。隊員は重い装備を身につけ、自らの足で急斜面を登りながら、何百メートル、時にはキロ単位でホースを伸ばして消火活動にあたります。これは想像を絶する過酷で非効率な作業です。

2.ヘリコプターによる空中消火

ヘリコプターで近隣の湖や川から水を汲み、上空から散布する方法もあります。接近困難な場所には有効ですが、一度に運べる水量には限りがあり、往復にも時間がかかります。海外では大型飛行機で消火薬剤を散布することもありますが、日本の地形や植生ではヘリコプターが主軸となります。

3.隊員による直接消火と「背負い式水のう」

古くから伝わる方法に、棒の先に帆布などを取り付けた「火たたき」で火を叩き消す手法があります。火勢が弱い場合には有効です。また、現在も主力として使われているのが「背負い式消火水のう」です。約18リットルの水が入った袋を背負い、手元のノズルをスライドさせて水鉄砲のように放水します。隊員が歩ける場所ならどこでも消火できる利点がありますが、厚手の防火服に加えて約20キロの水を背負って山を登る負荷は相当なものです。さらに、猛烈な火勢に対して18リットルの水はあまりに無力であり、これらは主に「残火処理(目に見える炎が消えた後の火種消し)」の段階で威力を発揮します。

4.延焼阻止線の作成と「迎え火」

木の伐採や地表の落ち葉を取り除いて「防火帯」を作り、物理的に燃えるものをなくして延焼を食い止める方法です。時には意図的に防火帯の内側を焼く「迎え火」を行い、あらかじめ燃料を消費させる高度な戦術もとられますが、風向きの変化や作業の危険性から、実行判断には非常に高い専門性が求められます。


このように、山林火災を最盛期に一気に抑え込むことは至難の業です。少しずつ勢いを削ぎ、最終的には隊員が一人ひとり火中に分け入って、地道な消火活動を続けるしかありません。そこには、凄まじい疲労と常に背中合わせの危険があります。

火災を防ぐ鉄則は、「まず火を出さないこと」。そして、万が一出火したら「小さいうちに消し止めること」です。一度広がった火勢がいかに恐ろしく、消火が困難であるか。山林火災のニュースに触れるたび、その現実を思い知らされます。

日頃からの火災予防に心がけましょう。

消防・防災のアドバイスについては、株式会社アドーズまで