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消防庁より、「火災予防分野の各種手続における電子申請等の導入状況等調査の結果について」が公表されました。建物の運用や改修において避けて通れない消防署への各種届出ですが、全国的にデジタル化が急速に進んでいます。最新のデータから、行政手続の現状と、企業側に求められる意識の変化を読み解きます。

電子申請の導入率は約9割へ到達

令和8年(2026年)4月1日時点で、火災予防分野の各種手続において電子申請等を導入している消防本部は、全国で635本部(88.3%)に達しています。前年の令和7年4月1日時点(567本部、78.8%)から大きく増加しており、令和8年度末には654本部(90.9%)が導入する見込みとなっています。もはや「消防の届出=窓口へ直接持参する」という常識は、過去のものになりつつあります。

また、建築確認電子申請受付システムについても導入が進み、令和8年4月1日時点で235本部(32.7%)が利用しています。

立ちはだかる「利用者の認知不足」と「紙の慣行」

多くの消防本部でシステム導入が進む一方で、電子申請等の利用は必ずしも十分に広がっていないのが現状です。消防本部が感じる「オンライン利用率の向上における課題」として、圧倒的に多かったのが次の2点です。

  • 利用者の認知不足(438本部):そもそも電子申請等が可能であることを、利用者が知らないという状況です。
  • 利用者側の慣行(341本部):受付印や副本を必要とするなど、従来の「紙ベース」の慣習がデジタル化の妨げになっています。

また、行政側でも利用者の理解を一層深めていくための、周知・広報の充実が求められています。

企業(届出者)に求められるアップデート

行政側のシステムや受け入れ態勢が整っても、届出を行う企業側の意識や運用が従来のままであっては、真の業務効率化の波に乗ることはできません。これからの時代、企業には以下の「3つのアップデート」が求められます。

  • 意識改革 ── 「とりあえず紙」からの脱却:「今までどおり紙で出して、窓口でハンコ(受付印)をもらおう」という従来の慣習を改め、デジタル申請を社内の「標準(デフォルト)」へとシフトしていくマインドの転換が必要です。
  • 管理体制のデジタル化 ── 副本のデータ保管へ移行:紙の副本をファイルにとじる物理的な管理方法から、セキュアなクラウド環境などでのデータ保管・管理体制へと移行しましょう。これにより、ペーパーレス化だけでなく、紛失リスクの低減や拠点間の情報共有もスムーズになります。
  • メリット理解 ── 受付印なしでも残る確実な履歴:「ハンコがないと不安」という心理的ハードルを越え、デジタルならではのメリットに目を向けることが重要です。電子申請では、受付印の代わりにシステム上に確実な「手続きの履歴」がデータとして残るため、全社の届出状況が一元管理され、むしろ企業のコンプライアンスやガバナンス強化に繋がります。

【参照】総務省消防庁:令和8年5月22日 消防予第208号「火災予防分野の各種手続における電子申請等の導入状況等調査の結果について」

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